アイデアを実現させるアクションチーム

ナイツブリッジやランベス・ブリッジの爆発、北アイルランドの森のなかでの1対1の戦い、それから狭いキッチンでの4対1の戦い、どれも、アクションチームの技術と特殊効果を使ったシーンのほんの一部である。キャンベル監督によると、クァンは、自分の戦闘スキルを攻撃ではなく、防御に使っているという。何と言ってもクァンは60代なので、機敏な動きは求められていない。

重要なアクションシーンは3回登場する。ベルファストのB&Bで、ヘネシーの部下たちの襲撃から逃げるシーン。ヘネシーの農場の森で繰り広げられた、モリソンとクァンの激しい戦闘。それから、作品の終盤に登場する、爆破テロの犯人との戦いのシーン。チェンとアクションチームは、キャンベル監督の決めた指針に沿って、戦闘シーンの動きを決める際に大きく関わっていた。

中心となる戦闘シーンは、クァンと4人の爆破テロ犯との対決だろう。舞台となるのは、犯人たちが潜伏する狭いアパートだ。「狭い空間なのに、撮影スタッフ、俳優たち、それからアクションチームでぎゅうぎゅう詰めだった。」スタント・コーディネーターのグレッグ・パウエルが言う。「ものすごいスピードでアクションが展開されるし、発砲もする。はじめは、短いシーンにする予定だったが、撮影を始めると、時間が延びていった。ジャッキーがそのシーンに没頭していたこともあって、ぼくたちスタッフは、もっとこの映像を長く使いたいと思った。ジャッキーは経験も知識も豊富で、戦闘シーンの撮影では、かなりアドバイスしてもらった――アクションのことを一番知っているから、本当にありがたかった。」

クァンの軍人としての過去を戦闘スタイルに反映させなければならなかった、とキャンベル監督が説明している。「昔の映画に出てくるような、空手の技は使いたくなかった。ほら、テーブルクロスをひきぬいて、敵の頭に巻きつけるみたいなやつだよ。そういうのは、この作品には使いたくなかった。だから、ぼくらは軍隊の戦闘スタイルや、接近戦の技に注目した。」

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