ピアース・ブロスナン秘密情報部の工作員から秘密を持った官僚へ

元UDIの活動家で、現在はイギリス政府の官僚であるリーアム・ヘネシーを演じるのは、ピアース・ブロスナン。製作のスコット・ランプキンは語る。「ブロスナンは気品が滲み出ている男だ。ジェームズ・ボンドだし、探偵レミントン・スティールでもある。ぼくらが映画をみたときになりたい、と憧れるような男がピアース・ブロスナンだ。彼が演じることでヘネシーは、バランス感覚に優れていて、かっこよくて、気品のある人物になった。ヘネシー登場シーンでは、きっと『なんておしゃれでかっこいい人だろう』と思ってしまう。でも、ヘネシーは、暗い過去を抱えている。他のどんな役者が演じても、ピアースのヘネシーのようにはならなかったと思う。」

ブロスナンは、『007』シリーズでも、マーティン・キャンベル監督の作品に参加した経験があった。「まず、そもそも、ピアースはアイルランド出身、だから助かった。今までピアースが演じてきた役のなかでも、最高と言えると思う。」キャンベルが語る。「リーアム・ヘネシーという役に没頭していた。ピアースが、UDIのことが少し心配だ、と話していたのを覚えている。彼はしっかり状況を把握したうえで撮影に臨んでいた。撮影が始まる前に一度、リハーサルの時間を設けたのは、役に立ったと思う。最終的にピアースが生み出した人物は、本当に素晴らしかった。」

「クァンの探す答えや情報をヘネシーが持っていることを、ぼくたち観客は期待する。」そう語るのは、製作のランプキンだ。「ヘネシーはクァンのことをただの外国人だと思って、全く気にとめることはない――クァンが自分の能力を見せ始めるまでは。クァンが本気だということに気づくが、ヘネシーのまわりの問題は、クァンだけではない。自分の権力の基盤を作る必要があったが、勢いを失いつつあった。UDIにいたころの仲間、マクラスの勢力もどうにかしなければならなかった。ピアースが演じたヘネシーは最高だったよ。どういうふうにその役を演じればいいか、という感覚がとても優れている。ピアースは、本当に信頼できる俳優だ。登場シーンでは、うっとりしてしまうくらい魅力的なのに、だんだんとヘネシーが悪いやつだっていうことを見せていく。」

ジャッキー・チェンも、ピアース・ブロスナンとの共演について、個人的にも、役者としても素晴らしかったと語っている。「映画スターのひとりであるピアースと共演できて光栄だった。彼は本当に素晴らしい役者だよ。現場では、何度も助けてもらった。演技だけじゃなくて、英語もね。ぼくの英語が良くないせいで、たくさん時間を使ってしまった。それに、役柄上、イギリス人のふりをしなくちゃいけなかったし――それで、ピアースが、とても我慢強く教えてくれていた。撮影の最後に、自分で描いた絵をくれた。素晴らしい才能を持っていると思ったよ。」

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